正答率0.5%の神奈川県公立高校入試問題&対策

正答率05%過去3年間で最も低く、全受験者(約40000人)の中で解けたのはわずか200名程度でした。

超難問だろうと思うかもしれません。しかし、実際の解法は単純で、空間図形のセンスがあれば簡単に解けます。


【問題】


【解法】

下の展開図において、

AI∽△JIXで、KA:AI:IK=1:2:√3=JI:IX:XJ

BF=IXより、IX=3cm

GH=(XY+AD)/2=XJ+AK

に気づけば、次の手順で、簡単に計算できます。

IX=3cmより、XJ=IX・(√3/2)=3√3/2cm

AD=6cmより、AK=AD・(1/2)=3cm

∴ GH=XJ+AK=3+3√3/2cm

 

ただし、

△KAIにおいて、KA:AI:IK=1:2:√3

△XIAにおいて、XI:IA:AK=1:2:√5

△JIXにおいて、JI:IX:XJ=1:2:√3

と隣接する三角形の辺の比が似ていてミスを誘い易いことから、

展開図を正しく書けないなど、脳内整理できないと、

混乱して、堂々巡りしたり間違えたりします。

 

神奈川県を含めて公立高校入試問題で正答率の低い問題は、このような傾向がありますから、

得点力を上げるには、この手の問題をシンプルに解くセンスを磨くことが肝要です。


【詳解】

上の展開図において、点で重なっていた点をそれぞれF,X,Yとする。

仮定より△AXI≡△DYI,△IADは正三角形であるから、

∠XAD=∠YDX,XA=YD

これより、四角形AXYDは等脚台形である。

この等脚台形において、線分XY,ADの中点をそれぞれJ,Kとすると、

点Iは線分JK上にありJK⊥XY,JK⊥AD,AD∥XYである。

 

△AIKと△IXJにおいて、

IK⊥AD,IJ⊥XYより∠IKA=∠XJI=90°であり

∠KAI+∠AKJ=90°  ∠JIX+∠IXJ=90°  ・‥ ①

仮定より∠XIA=90°だから∠AIJ+∠JIX=90°  ・‥ ②

①,②より∠KAI=∠JIX,∠AIK=∠IXJであり二角相当だから△AIK∽△IXJ

さらに、仮定より∠KAI=60°であり∠AIJ=30°であるから

KA:AI:IK=JI:IX:XJ=1:2:√3 ・‥ ③

③に加えて、仮定よりXI=3cmであるからXJ=XI・(√3/2)3√3/2cm

 

同様にして、△DIK∽△IYJでありJY=3√3/2cmであるから

XY=XJ+JY=3√3cm       ・‥ ④

 

線分XD,GH間の交点をLとすると、△XGLと△XADにおいて

点Gは線分XAの中点でありGH∥ADより、

∠XGL=∠XAD ∠XLG=∠XDAであり二角相当であるから

△XGL△XADかつ△XGL△XADの相似比は1:2

これより点GLはそれぞれ線分XAXDの中点であるから、中点連結定理より

AD=2GL,XY=2LH       ・‥ ⑤

仮定よりAD=6cm              ・‥ ⑥

 

④~⑥より、GH=GL+LH=(XY+AD)/2=3+3√3/2cm