大学入試>中学入試>>>公立高校入試

今日(2019/2/26)で、2019年度の国公立大学入試(前期試験)が終わります。塾生全員が最高のパフォーマンスを発揮できるよう日々研鑽していますが、大学入試は一筋縄ではいきません。

 

公立高校受験の講師は、中学時代に平均点くらいの成績であれば務まり誤魔化すことができます。中学受験の講師は、(四谷大塚偏差値50未満の生徒を対象とするならば容易に務まりますが)四谷大塚・日能研やサピックスの講師は、ある程度、得意な科目でないと務まりません。ただ、文系でも算数の講師が務まったりします。大学受験の講師は、MARCHクラスでも、各科目ごとにそれぞれ得意でないと務まりません。国公立大受験では、さらに幅広く奥深い学力・経験や指導力が求められます。

 

公立高校受験の塾が溢れているのは、低い学力や指導力でも務まることによります。中学受験の塾が少ないのは、学校で教えない(小学生にとっては)難度の問題の指導を全科目に亘り教える必要ある反面、ニーズは低いことが一因です。大学入試は今ではほとんどの高校生が受けることから、大学受験を看板に掲げている塾は多く存在しますが、そのほとんどは(指導力の低い)大学生や映像授業に頼っています。直に本格的に指導できる塾は、高い学力・指導力や豊富な経験が求められることから、ごくわずかです。

 

大学生の場合、東大生でも経験が浅く穴だらけで指導力は低い傾向があります。大学教授でも専門外を教えることは至難の業です。先日、東大出身で友人の大学教授に高校生の英語指導をお願いしましたが、指導法に関して勝手が違うようで少し困っていました。本人は毎年、数千名の大学生に講義し、数十名の大学院生を個別に指導しています。また、これまで数十本の英語論文を書き、毎年開催される国際学会では英語で流暢にスピーチするほどの実力がありますが、それでも大学受験の指導は難しかったようです。また、映像授業は(どんな有名講師の授業でも)通り一遍であり、生徒の個々の要求に対処することは不可能です。さらに、映像授業は受講生の頭脳が活性化しづらいことも実証されています。大学生や映像に依存した塾の弱点は、高い学力や豊富な経験があれば見抜けますが、高校生の学力や浅い経験では判別できません。勢い、寄らば大樹の陰で大手塾に頼ってしまいがちです。

 

入試問題の難度は、大学入試>中学入試>>>公立高校入試の順です。大学入試が難しいことは誰でもわかると思いますが、中学入試も聖光学院・栄光学園・浅野などの難関中学の問題は思いのほか難しいものです。これらと比較して、公立高校の入試問題はとても簡単です。さまざまな学力の中学生に配慮しているのでしょう。ですから、明日(2/27)神奈川県公立高校の合格発表がありますが、公立高校の入試で高得点で合格しても安心しないことです。自分の場合、高校入試では(塾に通わないで)450点/500点を超えましたが、高校時代は大学入試の難問に苦戦し続けました。難問といっても、今なら難なく解けますし、ラサール生なら解ける程度なのに、当時の自分はいつも苦戦していたのです。これは素質の差ではなく、小学生や中学生のときにどんな勉強をしたのか、その差です。今、私立難関校の生徒たちに教えていて実感します。

 

公立高校の入試問題は(特色検査を含めて)難問は皆無ですから、入試が改訂されても当塾は短期間で対処できます。公立高校専門を謳う塾の中には”毎年、他県の入試問題も精査している”と息巻いている塾もあるようですが、当塾では、その程度の簡単なことは短時間で済ませて、小学生や中学生であっても、大学受験を念頭において、個々の学力に合わせて、より効率的で発展的そして先進的な指導を心がけています。たとえば、英語では(学校や他塾ではおろそかにしている)文型・品詞や訳し方のコツを、数学では(学校や他塾では教えない)線分図や関係図による解法や(大学受験の基礎となる)証明問題解法のコツなどを具体的に指導しています。指導は最小限に留め、宿題で定着と効率化を図っていて、宿題の範囲や量も個々の学力に合わせて出しています。数ヶ月前に他塾から転塾してきた中学生のお父さんが、先日、(迎えに来られたとき)「娘の家庭での学習方法が(よい方向に)大きく変化した」とおっしゃっていました。

 

一人ひとりの学力や性格などの個性に留意して指導していますが、成績が振るわない生徒は必ずいます。

努力していても中々壁を越えらず苦闘している生徒には、可能な限り懇切丁寧に指導し「君は越えられなくても、その努力は必ず子や孫の宝となり実を結ぶから、諦めないことがとても大切だ」と伝えています。これは方便ではなく実体験からきています。たとえば、自分の場合、短距離走は平均より速かったのですが長距離走はとても苦手でした。遅いのは悔しいので結構努力したのですが、どんなに努力しても平均くらいがやっとでした。でも、子は、どちらもクラスで1~2番くらいで、どうしたわけか長距離走を苦にしません。それ以外にも、親が努力しなかったことは子もできず、努力していたことは親を越えると実感することが、多々あります。ダーウィンの進化論は子を詳しく観察と身近に体感でき、子が苦闘している姿をみると、自分の努力が足りなかったと反省し、身の引き締まる思いがします。