国公立大学入学を目指す生徒の多くは、2次受験の前に腕試しで私立大を受験します。自分の場合、私立大学に入学する意思が無かったこともあり私立大学は受験しませんでしたが、一発勝負という状況から本番では相当緊張したことを思い出します。緊張による失敗を軽減するためにも、状況が許せば一回くらいは私立大学を受けた方がよいと思います。たとえば、国公立の医・歯・薬や旧帝大を受験する場合には、偏差値の高い私立大の医・歯・薬や早慶クラスを受けるとよいでしょう。
慶應大の数学の場合、前半はマーク式で後半は記述式ですが、マーク式で基礎学力を確認して、記述式で実戦力を試すとよいでしょう。文系の場合、この大学の問題は、(東大・京大・一橋のような、その場で深く考させるような複雑な問題は出なくて)時間さえかければ全問正解できるものばかりですが、制限時間の割に問題数が多くセンスよく解くことが求められます。このため、入試では完答を目指すよりも短時間で解ける問題をセンスよく嗅ぎ分けて7割~8割の得点率を目指すことになりますが、過去問を解く場合にはじっくりと解いて全問正解を目指すべきです。このとき、大問一問に30分かけても解けない場合には、解答を読んで解法を覚えることが肝要です。解答を読んでも理解できない場合には、基礎力不足ですから、まず教科書を確認することです。それでも理解できなければ、チャート式・フォーカスゴールド・ニューアクションαなどの参考書で調べることです。効率的に学習したければ、精通した講師とアクティブラーニングすることです。解法のポイントを短時間で効率よく学習でき、難関国公立大の合格力を効率的に鍛えることができます。
慶應大学(経済)の数学
(1) 真数条件より、x >0, 2k+3k-x >0 ---①
不等式(*)の左辺の対数を一つにまとめ両辺を比較すると、真数・指数・底の関係より
x(2k+3k-x) >6k ⇔ x2-(2k+3k)x+6k<0 ⇔ (x-2k)( x-3k)<0 ---②
※ 2kと3kは、 k >0, k=0, k>0 で大小関係が変化することに気づくことがポイント。 気づかないと、その後、全問不正解になります。
※ ただし、気づかないまま解き進めると(3)で行き詰まりますが、そこで気づいて(1)に戻ればOKです。
※ (1)でミスしたとき、そのミスは(3)で気づくというポイントは解答を読んだだけではわかりません。
※ アクティブラーニングは、実戦的で強力な学習法である一方で、指導者に高い指導力と多大な労力を要求しますが、
※ それは、このような状況に遭遇し適切な指導を受けたとき、カンの鋭い生徒なら気づきます。
①、②より、
k < 0 のとき、3k < x < 2k
k = 0 のとき、解なし
k > 0 のとき、 2k< x < 3k
(2)
ⅰ)k < 0 のとき、3k < x < 2k ・‥ ①
k < 0 より、0 < 3k < 2k < 1 であるから①を満たすxは存在しない。
よって、f(k) = 0
ⅱ)k = 0 のとき、解は存在しない。 ・‥ ②
②より、xは存在しないからf(0) = 0
ⅲ)k > 0 のとき、2k < x < 3k ・‥ ③
k = 1のとき、2 < x < 3 より、f(1) = 0
k ≧ 2のとき、②を満たす整数xは、2k+1, 2k+2, ・‥ , 3k-1であるから、
f(k) = 3k-1-(2k+1)+1 = 3k-2k-1
ここで、f(1) = 31-21-1 = 0 より、f(k) = 3k-2k-1はk = 1のときも成り立つ。
ⅰ)、ⅱ)、ⅲ)より
f(k) = 0 ( k ≦ 0)
f(k) = 3k-2k-1 ( k > 0)
(3)
Ⅰ)k ≦ 0 のとき、f(k) = 0、f(k+1) = 0 であるから、f(k) = f(k+1)
Ⅱ)k > 1のとき、
f(k+1) - f(k) = (3k+1-2k+1-1)-(3k-2k-1)=2・3k-2k>2・3k-3k>3k>0
よって、f(k) < f(k+1)
Ⅰ)、Ⅱ)より、題意は示された。
(4)
(3)より、0 < f(k+1) - f(k) が成り立つkの範囲は k ≧ 1 ・‥ ④
k ≧ 1のとき、
f(k+1) - f(k) < 2k+3
⇔ 2k+3 > f(k+1) - f(k)
⇔ 2k+3 > ( 2・3k-2k )
⇔ 2k-1 > 3k-2
⇔ log22k-1 > log23k-2
⇔ k-1 > 1.58(k-2)
⇔ k < 2.16/0.58
3 < 2.16/0.58 < 4 より、k ≦ 3 ・‥ ⑤
④、⑤より、k = 1, 2, 3
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