長方形ABCDの内部に点Kがある。点Kを通過し線分AB、ADと平行な直線を引き、これらの直線と線分AB, BC, CD, DAとの交点をそれぞれ、P, Q, R, S とする。2点P, Qを通過する直線と2点R, Sを通過する直線との交点をOとする。このとき、3点O, A, Cが一直線上にあることを証明せよ。
難関私立中向けの図形問題(中2・11月~12月)です。線分比や直線の方程式など複数の解法があります。ここでは、直線の方程式を使って証明します。
解答を見ただけだと簡単に思えるかもしれませんが、中2生にはとても難しい問題です。
※ 長年講師を務めていた四谷大塚では、中学受験生の学力レベルを高い順にS,C,B,Aと表しますが、
※ この問題は、中学受験のときにSレベル(偏差値63以上)の学力がないと、自力ではほとんど解けません。
※ Cレベル(偏差値54~62くらい)では苦戦します。
まず、導入の文(座標の指定)は、解法の全体像を把握していないと、書けません。
(仮に問題文に)座標が提示されていた場合、
次に、②, ③の方程式は、記号を使って表す必要があり、中2生の多くは文字式に慣れていないので、ここで苦戦します。
そして、②, ③から④の座標を求める過程は、実際には計算が相当複雑で、④に到達することは(中2生には)至難の技です。
最後に、3点が一直線上にあることを(減点されないように)示すには熟練を要し、数学特有の国語力が要求されます。
この問題を完答するには、高い計算力(速さ&正確さ&暗算力)や豊かな文章表現力(必要・十分&簡潔)が必須です。難関の私立中生たちは、このような難問に悪戦苦闘しながら挑戦し続けています。進度が速く難度も高いのに学校での授業は拙速なので、今は辛い思いをすることもありますが、大学受験のとき、鍛えた実力を遺憾無く発揮します。
点K=(0, 0), Q=(0, -a), S = (0, b), P=(-c. 0), R=(d, 0) とする。
このとき、C=(d, -a) …➀
直線PQ,
RSはそれぞれ次ように表される。 … ②, … ③
2直線②, ③の交点Oを求めると … ④
2点O, Cを通過する直線を求めると、➀,④より、 … ⑤
を⑤に代入すると、 … ⑥
⑥より、点Aは直線⑤上にあるので、題意は示された。
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