神奈川県の(中学受験で入学する私立高校)と(高校受験で入学する公立高校)の大学合格力を比較します。結論は私立高校>>公立高校で、県西地区ではほとんど知られていませんが平塚・茅ヶ崎・藤沢以西では常識です。
ちなみに、高校受験の公立高校と私立高校では公立>私立です。神奈川県では(慶應高を除くほとんどは)公立に合格できなかった生徒が私立に入学するので当然の結果になります。
2018年度の中学受験の偏差値(合格可能性50%)は、次のとおりです。
開成(67)、聖光学院(65)、栄光学園(61)、浅野(60)、慶應普通部(60)、攻玉社(50,56)、サレジオ学院(55)、逗子開成(54)、
桜蔭(67)、女子学院(65)、フェリス女学院(61),横浜双葉(54)、湘南白百合(47)、清泉女学院(42)、聖園女学院(39~40)、
平塚中等(51)、公文国際(47)、山手学院(46~48)、日大藤沢(42)、自修館(39)、東海大相模(31)、相洋は圏外で30未満です。
これらの偏差値は、大学受験では最難度の模試”駿台ハイレベル模試”の偏差値に匹敵します。たとえば、駿台模試の偏差値55は、横浜国立大にほぼ全員が合格できるレベルです。小田原高校で駿台ハイレベル模試を受けるのは、最上位の生徒のみでほんの一握りです。中学受験の偏差値55以上のほとんどの学校で、その半数以上が早慶に合格することも納得できると共に、中学受験の偏差値55以上の中学校の受験が如何に厳しいか容易に推察できます。見方によっては、中学受験は大学受験より厳しいかもしれません。(中学受験の)小学生たちの多くが最難度の模試を毎週受け、それに向けて日夜勉学に励んでいることになるわけですから。
公立高校を中学受験の偏差値に適用すると次のように推定できます。
横浜翠嵐は、55~56。東大/慶應の合格者数は翠嵐≒攻玉社。
湘南高校は、55~56。合格力は攻玉社≧湘南≒翠嵐≒サレジオ。
厚木高校は、46~47。合格力は公文国際>湘南白百合≒厚木。
小田原高は、44~45。合格力は公文国際・湘南白百合>小田原。
秦野高校は、37~38。合格力は清泉女学院>自修館>>秦野。
公立高生たちも高い意欲で学業に励めばより高い学力が身につき、私立進学校に近づくことができます。たとえば、小田原高生が湘白生と同じような学園生活をおくることができるなら大学実績は小田原>>湘白、合格力は小田原≒湘白となるはずです。湘白生は小学から中学に進学するとき、中学から高校に進学するとき、一定の成績を修めていないと進学できませんし、定期テストでさえ難しく、数学の成績が低いと希望しても物理を履修できなかったりするので、この学校の生徒はよく勉強(させられ)します。小学生でも電車やバスで本をずっと読んでいる姿を目にするほどです。彼女たちは努力で高い学力を身につけている典型です。
大学合格力は、聖光学院>浅野>(攻玉社≧)湘南≒翠嵐(≒サレジオ)。
聖光学院(東大72(現役56),国公立医学部35,一橋10,東工大08,慶應121)卒業生231名。半数以上が東大・京大クラス。
浅野高校(東大42(現役36),国公立医学部15,一橋15,東工大25,慶應137)卒業生259名。国公立医学部、慶應は途中集計。
横浜翠嵐(東大14(現役11),国公立医学部13,一橋12,東工大17,慶應091)卒業生348名。
湘南高校(東大25(現役17),国公立医学部13,一橋21,東工大18,慶應090)卒業生361名。慶應は2017年度の実績。
※攻玉社(東大13(現役10),国公立医学部11,一橋04,東工大09,慶應095)卒業生242名。東京都の学校。一橋と東工大は全員現役。
サレジオ(東大09(現役06),国公立医学部06,一橋14,東工大07,慶應056)卒業生182名。
湘南高校は直近5年間で最高の実績(東大現役10→10→7→8→17)ですが、東大現役合格者が2倍以上の神奈川御三家(栄光・聖光・浅野)には遠く及びません。聖光や浅野>>湘南や翠嵐、は明白です。
次に、翠嵐、湘南、攻玉社、サレジオについて考察します。合格者数だけで比較した場合、湘南≧翠嵐≧攻玉社≧サレジオとなります。高3受験者ひとり当りの合格力は湘南≒攻玉社≧翠嵐≒サレジオとなります。また、公立高の浪人率は高く私立は低いので湘南の1/3が浪人しサレジオの1/5が浪人するとして算出すると大学受験の実際の総数は湘南480名、翠嵐470名、攻玉社290名、サレジオ220名となり、実際の受験者ひとり当りの合格力は攻玉社≧湘南≒サレジオ≧翠嵐となります。さらに、本年度は湘南≧翠嵐でしたが、昨年度は翠嵐≧湘南でした。これらすべてを考慮して合格力を算出しました。
ちなみに、攻玉社は毎年2回(4教科)の受験機会があり1回目(2/1)の偏差値は50で同日受験のサレジオ(55)より(5ポイントも)大幅に低いですが、大学受験ではサレジオを逆転しています。サレジオも受験生憧れの優良校ですので、大学受験で逆転するということは中学に入ってからサレジオ以上に猛勉強したことがうかがえます。
大学合格力は、横浜双葉≒逗子開成≒公文国際>湘南白百合≒厚木>小田原。(私立医学部は慶應より難)。
横浜双葉(東大3(現役3)、国公立医学部10、慶應46、私立医学部25)卒業生181名。2017年度の実績。
逗子開成(東大7(現役3)、国公立医学部06、慶應65、私立医学部38)卒業生268名。
公文国際(東大6(現役6)、国公立医学部04、慶應51、私立医学部19)卒業生170名。
湘白百合(東大2(現役2)、国公立医学部09、慶應28、私立医学部27)卒業生164名。湘白は慶應より医歯薬志向で計110名合格。
厚木高校(東大5(現役1)、国公立医学部02、慶應56、私立医学部少)卒業生360名。湘白≒厚木(最上位者は湘南白百合>厚木)。
小田原高(東大1(現役0)、国公立医学部00、慶應20、私立医学部少)卒業生311名。湘白>小田原は明白です。
公文国際は一橋にも6名(現役5)が合格していて、偏差値47にも関わらず厚木高校より遥かに高い合格力です。この学校は、大船駅から専用バスで8分ほどかかり少し不便で学費も平均より大分高いですが、将来まで考えるとおつりが来てあまりある学力/教養を身につけることができます。公文や湘白など偏差値は低くても大学受験では大活躍します。中学受験の生徒たちが、入学後にいかに鍛えているかうかがい知ることができます。
大学合格力は、清泉女学院>自修館>>秦野。
清泉女(国公立20,慶應10,早稲田12,上智13,東京理科15,立教22)。卒業生161名。2016年度(慶應18,早稲田35)は小田原に迫る実績でした。
自修館(国公立11,慶應00,早稲田05,上智06,東京理科04,立教18)。卒業生120名弱。早稲田、上智、理科大はすべて現役。2017年度の実績。
秦野高(国公立17,慶應00,早稲田11,上智05,東京理科06,立教16)。卒業生357名。合格力は自修館>>秦野。自修館は秦野を圧倒しています。
清泉生の学習意欲は低い傾向にありますが、小・中学入学時からの塾や家庭教師で何とか学力を維持しています。秦野生の学習意欲は清泉生よりもさらに低く、学業よりも部活など他に精を出す傾向があります。秦野生の学力は(難度の低い)高校受験で燃え尽きて目標を見失った生徒の集まりとしか思えないほどひどい状況です。一方、自修館は学校が教育熱心で生徒は大変ですが、中学受験では低学力でも大学受験で好成績をあげるのはその賜物で、生徒・教師共によくがんばった結果です。秦野が、生徒数1/3で(中学受験時)低学力の自修館に敵わないのは自明の理です。
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